スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--(--)
スポンサー広告 |


児玉桃 メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし@フィリアホール

2008年10月18日(土)14:00
児玉桃 メシアン・プロジェクト2008 第2回
オリヴィエ・メシアン:幼子イエスに注ぐ20のまなざし(全曲)
児玉桃(p)
フィリアホール

開演に先立ち、演奏者によるプレトークがあった。メシアン作品の特長は4つ。色彩感、リズム、鳥の歌、曲の長いこと。そして今日の演目「20のまなざし」について、実際にピアノを弾きながら、核心である「神の主題」が全曲のピースのどこにどのように形を変えながら現れるか。この10数分は、千言万語に勝るイントロだった。全曲2時間に及ぶ演奏を、児玉は「旅」にたとえた。たしかに時に辛く、厳しく、怖くて、長い。でも旅の果てには光がある。

ジャケット写真と本人その人の印象は違った。どこか親しみと懐かしさを覚える理由にふと思い当たった。小学生の頃の担任教師に似ているのだった。詩が好きだった、石渡先生。

母音それぞれに色をあててみせたのはランボーだったか。では、そもそも目がみえない人に、たとえば「白」という色をどのように説明したら「白」の「白さ」を理解してもらえるだろう。メシアンの音楽をきいて脳内にきらめくものがあれば、それは色の定義になるかもしれない。私にみえた(ような気がする)のは1、20の青、15の白。15の白は、これから訪れる寒い季節、家に点る暖かい明かりのよう。ちょっと甘すぎる響き。

曲は新約聖書が題材であるわけだけれど、時々あらわれる恐ろしい曲(たとえば12の「全能の御言葉」)は、放っておくと性懲りもなく堕落するに人間に下る神の鉄槌、その繰り返しの旧約聖書のほうを連想させもする。

拍手でステージに呼び戻された何度めかに、児玉はピアノの上に残ったスコアを指してみせた。作品、作曲者メシアンにも拍手が捧げられるべきであるとばかりに。エマールの演奏からも感じた、演奏者の謙虚と矜持。謙虚というのは、そのような作品がなければ演奏そのものがないわけだから。矜持というのは、今日のような説得力をもって演奏されるのでなければ、作品と作曲者が称揚されることはないわけだから。

SACDの録音もすばらしかったが、生演奏に如くはない。青葉台に引越してきて2年、徒歩圏内のホールでこうした演奏をきけてよかった。11月2日、同会場での「鳥のカタログ」もぜひきいてみたいと思うが、ジョアン・ジルベルトの2日めと同日。残念。



メシアンに注ぐまなざし
http://www11.ocn.ne.jp/~messiaen/
※作品の理解に大変役立った。ありがたい。

言葉や音に色が見える――共感覚の世界
http://wiredvision.jp/archives/200203/2002032506.html

しかし、やはりこっちは笑っちゃうくらいものすごい。エマール。鍵盤に向かう姿勢が、獲物めがけて急降下する猛禽類のよう。

スポンサーサイト

2008/10/18(Sat)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


松田美緒 with コーコーヤ@プラッサオンゼ

2008年10月17日(金)20:00
松田美緒(vo)
笹子重治(g)
江藤有希(vn)
黒川紗恵子(cl)
福和誠司(per)
プラッサオンゼ

最近出た松田のライヴCD、2月にブラジル大使館で録音した限定500枚というやつの出来映えが実にすばらしい。最初にきいたとき、椅子に沈みこんで動けなくなるような気がした。やがて、そのリハーサルのようなライヴの記憶がよみがえった。鬼怒無月、ヤヒロトモヒロ、江藤有希の好サポートを得て、ひょっとしたら今までの松田の録音の中で最も優れた作品なのではないだろうか。

(続きは後で)

第1部
1. 炭酸水(江藤有希)
2. 小ガモは水遊びが好き(Pixinguinha)
3. 浜辺のお話(Romildo Bastos, Toninho)
4. Na Paixa do Sapateiro(Ary Barroso)
5. あなたの瞳(Garoto)
6. Luiza(Tom Jobim)
7. Ngana(Walter Bastos)
8. パライーバ(Luiz Gonzaga, Humberto Teixeiro)

第2部
10. カレンシア(といった? Jacob do Bandolim)
11. フォホー・ブラジル(Hermeto Pascoal)
12. 日傘をさして(江藤有希)
13. 旅人のショッチ(松田美緒)
14. 真珠のモレーノ(松田美緒)
15. あなたのいない夜(ペルーの…)
16. バルトロメオー(といった? カーボ・ヴェルデの…)
17. Masi Olarinda(Traditional 東ティモール)
18. Trenzinho do Caipira(Heitor Villa-Lobos, Joao Souza Lima)

アンコール
19. めぐりあい Encontro(武満徹)
20. サイコー(Gregorio Goncalves)

2008/10/17(Fri)
ライヴ - ブラジル&周辺 | trackback(0) | comment(0) |


前橋、マイラマン;北西ドイツ・フィル@横浜みなとみらいホール

2008年10月15日(水)14:00
モーツァルト:歌劇「魔笛」K. 620より 序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64*
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67
~アンコール=
J. S. バッハ:G線上のアリア

ヴァイオリン:前橋汀子*
指揮:イヴァン・マイラマン
管弦楽:北西ドイツ・フィルハーモニー
横浜みなとみらいホール

仕事を休んで家族サービス。老母がLPの頃から愛聴していた前橋汀子さんのメンデルスゾーン。軽く付き添うつもりが、ベートーヴェン第5番(いわゆる「運命」)のスコアや録音を勉強していて、だんだん本気で楽しみになってきた。

冒頭、弱拍で出るのとフェルマータをどうやるか。(ン)ジャジャジャジャーン(ン)ジャジャジャジャーンのフレーズはだれもが知っているが、やるほうの難しさはだれもが知っているわけでない。録音にもたくさんたくさんヴァリエーションがある。
「運命」冒頭の聞き比べ~46種
http://emuzu-2.cocolog-nifty.com/blog/mp3/

指揮者マイラマン、見た目はちと老けているが、1971年生まれの37歳。まだ若い。はじまり、息を呑んでいると、力が入りすぎたのかタクトで譜面台を叩いちゃった。(コン)ジャジャジャジャーン。響きはフルトヴェングラー(の録音)ふう。しかしあのラフな腕の振りでは楽団員は困惑するだろうな。第1楽章268小節でオーボエが1小節のソロをやる。すぐ次の小節から入るヴァイオリンへの指示が遅れ、振り返った時にはコンサートマスターはじめ弦楽群はすでにpでやる準備に入っていた。

そんなでも、楽章を追うごとに演奏は熱く説得力が出てきた。指揮者がアレだと楽団は自律的にがんばるのか。パートパート、それぞれの演奏がすばらしい。第3楽章から第4楽章、トロンボーンの入る第4楽章冒頭は鳥肌ものだった。

今日嬉しかったのは、8月に山梨でみた田島高宏がコンサートマスターだったこと。楽団のサイトや彼自身のブログで何のアナウンスもなく、そうきいたのは勘違いかと思っていた。これからの活躍を祈ります。

たぢおの真相
http://plaza.rakuten.co.jp/tazyonoshinso/

魔笛の序曲は秋風を吹かすような爽やかさ。メンデルスゾーンは、前橋さんのメリスマティックとオーケストラがマッチしていない気がした。これも指揮者のせいなのか、どうか。

2008/10/15(Wed)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


カルトーラ サンビスタの物語

2008年10月12日(日)13:30
ブラジル映画祭2008
カルトーラ サンビスタの物語
表参道ヒルズ スペース[オー]

昨日予習のつもりで、買って一度しかみていなかったDVD「Cartola MPB Espesial - 1974」をかけてみた。DVDに添えられたオフィス・サンビーニャ田中勝則さんの解説で、その日2008年10月11日はカルトーラの100回めの誕生日であることを知った。そうだったのか。なんとまあ。

映画をみて3度泣いた。1回めはネルソン・サルジェントが出てきてうたうところ。田中さんがプロデュースした「裏山の風景」のライナーノーツで、アルバム制作中、ネルソンの家に滞在して田中さんは彼の娘さんにラヴレターをもらったとか、ネルソンは本気で2人のことを心配していたとか、そういう話を読んで印象深く憶えていた。「サンバは死なず」も。

2度め、カルトーラがお父さんのためにうたうところ。カルトーラが10代の頃、父は彼を「家名を汚す」として捨てた。変転あり、しまいに一緒に暮らしはじめた父子。ギターを爪弾く父と並んで、カルトーラが座っている。

カルトーラ「子供の頃は勉強が嫌いでね。父が演奏するギターのほうが気になったよ。何かやろうか?(父からギターを受け取って)」
父「サンバをやってくれないか」
カ「どの曲を?」
父「人生は風車を、頼む」

「人生は風車」はカルトーラの代表曲で苦い曲。父、リクエストが渋すぎる。あんたやっぱり息子を愛してたんじゃないのか。うたうカルトーラよりも父の表情をみていたら涙が止まらなくなった。


(まだ早いのに、恋人よ/きみは人生を知り始めたばかりで/もう出発の時をうんぬんしている/とるべき進路さえも/知らないで。/気をつけるんだ、いとしい人よ/きみが決めたことは知っているが/曲がり角にくるたびに/少しずつ落ちぶれるものさ/そして間もなく/きみはいまのままではなくなるものさ/僕の言うことをよくお聞き、恋人よ/気をつけるんだ、世間は風車/きみのささやかな夢すら砕いて/空想を粉々にしてしまう/気をつけるんだ、いとしい人よ/きみはどの遺産からも/冷笑だけを相続することになる/きみがどん底のふちにいると気づいた時/みずからの足で掘ったどん底のふちに。/歌詞聴取&対訳:国安真奈=カルトーラ第1集&第2集のライナーより)

映画は、葬式の場面で始まり、葬式の場面で終わる。どちらもカルトーラ自身の葬式。ラストで3度めの涙が滲む。自分の人生は西部開拓のようだと、カルトーラは語ったという(長い苦しみの末に幸せに到達する)。エルトン・メデイロス、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、ベッチ・カルヴァーリョ、etc、etc。この映画は人類の文化遺産として、必ずDVDにしてほしい。自分にとって、ジョアン、ジョビンよりも前にある人だなあ。

カルトーラの1番の名曲は
www.latina.co.jp

※追記
第2次世界大戦前夜、F. D. ルーズベルトの善隣外交政策のもと、L. ストコフスキーの指揮でカルトーラの曲がColumbiaに録音されたという話。
www.mtv.com

2008/10/12(Sun)
映画 | trackback(0) | comment(0) |


トップへ

プロフィール

Woo

最近の記事
カテゴリー
シンプルアーカイブ
ブログ内検索
Twitter

QRコード

RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。