スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--(--)
スポンサー広告 |


渋谷毅オーケストラ@新宿PIT INN

photo_20090429-2.jpg

2009年4月29日(水・祝)20:00
渋谷毅オーケストラ
渋谷毅(p、or)峰厚介(ts)松風鉱一(sax, fl) 林栄一(as)津上研太(sax)松本治(tb) 石渡明廣(g)上村勝正(b)古沢良治郎(per) ゲスト:外山明(ds)秋山一将(g)
新宿PIT INN


1. Side Slip
2. Ballad
3. Three Views of a Secret
4. Chelsea Bridge
5. Brother
~休憩~
6. Obscure Steps
7. (タイトルなし)
8. もはやちがう町
9. Sonnet for Sister Kate
10. Such Sweet Thunder
11. Soon I Will be Done with the Troubles of this World
12. Aita's Country Life

スポンサーサイト

2009/04/29(Wed)
ライヴ - ジャズ | trackback(0) | comment(0) |


ファビオ・ルイジ;シュターツカペレ・ドレスデン@サントリーホール

photo_20090429-1.jpg

2009年4月29日(水・祝)14:00
指揮 ファビオ・ルイジ
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
サントリーホール


R. シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20(17'58")
R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28(15'01")
R. シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」作品40(原典版)(40'33")
(アンコール)
ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲(8'35")

2009/04/29(Wed)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


松田美緒@プラッサオンゼ

photo_20090427-1.jpg photo_20090427-2.jpg

2009年4月27日(月)20:00
Samba Sabar
松田美緒(vo)
小畑和彦(g)
永見行崇(key)
ヤヒロトモヒロ(per)
Abdou Bayefall(per、dance)
Mamadou Lo(per)
寿海(舞)
プラッサオンゼ


プラッサオンゼは昨年10月以来。その晩に会ったフォトグラファーのMさんが、私の顔を覚えてくれていて、浅草のロビーコンサートで撮影したすばらしい写真を見せてくれた。なかでもダンサーのAbdouが両脚を思いきり開いてジャンプした瞬間をとらえたカットが出色。彼を見上げる共演者たち(ヤヒロ、寿海、小畑、永見)の表情まで劇的な構図に収めていた。それらの写真は松田美緒ブログに間もなく掲載されるだろうとのこと。楽しみ。



なぜ松田美緒という歌手に惹かれるのか。歌唱はもちろんのこと、その他に理由はふたつ。ひとつは歌詞の内容を観客と共有しようと(できる限り)努める姿勢。もうひとつは、レパートリーが生き方そのものと結びついているようで独特なこと。最初のライヴをきいてから4年めになるが、その印象はずっと変わらない。

この日も、出てきて挨拶もなしに、「リスボン、私の町……」と語りはじめて、ポルトガル語の歌詞の意味を説明する。2、7、9、20、21も同様。こういう姿勢ひとつで、私は歌手の評価を上げてしまう。

第二の理由、レパートリーの増やし方。この人の歌選びは、旅先での発見や人との出会いと直接結びついている。しばらくぶりにライヴに行くと、必ず新しい歌をどこからか仕入れている。音楽の絵葉書をみせられているような気になる。

今回のライヴでは、日本舞踊の寿海との出会いからインスパイアされただろう日本の歌(自作含む)、MamandouとAbdouが叩き出すセネガルのリズムを従えたクララ・ヌネスのサンバ。アンコールでやった「Obssesao」にしても、この前の旅で共演したというOrquesta Imperialがレパートリーにしている曲。そこから何らかのインフルエンスがあったのだろうか。

ヤヒロトモヒロのパーカッション。松田は彼を「陰の立役者」と呼んだけれど、陰のどころか主役。デューク・エリントンのアルバムに、「ドラムは女だ」というのがある。アフリカンビートの化身(マダム・ザージ)が、カリブ海から北米ニューオーリンズを経てニューヨークに到達し、ジャズと混ざり合うという音絵巻。ヤヒロがパンデイロをもってやりはじめた12。ステージ対向(左)のサバールと衝突、融和を繰り返しながら、変幻自在なリズムパターンを叩き出すさまは、その「ドラムは女だ」のブラジル版とでもいおうか。大西洋を渡ったアフリカンビートが南米の土着音楽とどのように混淆して、バイーアをはじめとするブラジル独特のリズムが生まれたかを伝える。数百年に及ぶ物語を、たった数分間できかせてくれたように感じた。

寿海の舞。“17歳の乙女”を踊った19。扇と巻物(というの?)を使った繊細な所作。間近でみると先日のアサヒビールとはまったく違う印象。すばらしい。


1. Lisboa Cidade「リスボン、私の町」(Lima Brumon、Helena Luiza Moreira Viana)
2. Disse-te Adeus a Morri「さよならを言って死んだ」(Vasco Lima Couto、Jose Antonio Sabrosa)
3. 水に流し(松田美緒、編曲ヤヒロトモヒロ)
4. 出船(勝田香月、杉山長谷夫)
5. 日和下駄(米山正夫)
6. Moreno de Perola「真珠のモレノ」(松田美緒)
7. Nunca「決して」(Rupicinio Rodrigues)
8. Na Baixa do Sapateiro「バイーア~サパテイロ通りの坂下で」(Ary Barroso)
9. Noche de Amargura「苦い夜」(Arturo Zambo Cavero)
(休憩)
10. Ndo「水」(即興 松田美緒+Mamadou Lo)
11. Ijexa(Edil Pacheco)
12. Misticismo de Africa ao Brasil「アフリカからブラジルへ渡った魔術」(Joao Galvao、Vilmar Costa, Mauro Duarte)
13. Oracao「海の女神への祈り」(松田美緒)
14. Sabar Correntezas「水流のサバール」(セネガルの伝統音楽)
15. Filho de Historia(松田美緒)
16. E Doce Morrer No Mar「海の甘き死」(Dorival Caymmi)
17. Canto das Tres Racas「三つの人種の歌」(Paulo Cesar Pinheiro、Mauro Duarte)
18. 即興~Lua
19. ゴンドラの唄(吉井勇、中山晋平)
20. Tranzinho do Caipira「田舎の列車」(Joao Souza Lima、Heitor Villa-Lobos)
(アンコール)
21. Obsessao(Milton de Oliveira、Mirabeau)

2009/04/27(Mon)
ライヴ - ブラジル&周辺 | trackback(0) | comment(0) |


マダムギター長見順@渋谷dress

photo_20090426.jpg

2009年4月26日(日)19:00
マダムギター長見順(vo、g)
dress(渋谷)


同じ日の午後にきいたマーラー。その音楽を説明するのに、学者のアドルノが「突発」という概念を使う。前後の脈絡から逸脱して、音楽や意識のスムーズな流れを分断・異化するような部分を指してのこと(あまり詳しいわけではないので、それ以上は突っ込まないでほしいけれど笑)。

そんな「突発」の瞬間が、マダムギターの音楽にもふと現れる。「夏に生まれた夏子さん」に唐突に出てくる「冷やし中華の錦糸卵」という映像的なフレーズや、曲名失念したが「思い出し笑い」など、「だれでもそういうことを思いついたり言いたくなるけれど、実際に口にしたらただのヘンな人でしょう」というイメージや論理の跳躍を、お出汁のきいた声とギターできかせられると妙に納得してしまう。

危うい足取りで着地点を探り、終わってみれば世界は平和、両の脚で地面に立っていた、というような芸。

それをオーケストラ100人でやるマーラーと、ギター1本でやるマダムギター。いささか牽強付会なようだが、どちらも山本夏彦翁の「浮き世のことは笑うほかなし」という書名を思い出さないでもない演奏をきいた、いやー楽しい一日であった。

2009/04/26(Sun)
ライヴ - その他の音楽 | trackback(1) | comment(0) |


新交響楽団 第205回演奏会@東京芸術劇場

photo_20090426-2.jpg photo_20090426-1.jpg

2009年4月26日(日)14:00
新交響楽団 第205回演奏会
指揮 高関健
東京芸術劇場大ホール(2階K列14番)

ウェーベルン:管弦楽のための6つの小品(原典版)
マーラー:交響曲第6番 イ短調(21'46"/13'20"/11'55"/27'55")


ウェーベルン。海外のサイトで注文したスコアが当日まで届かず、予習が十分にできなかった。到着したらもう少し勉強しなおして、また別の機会に実演をききたい。9月に来日するズービン・メータ;ウィーンフィルでもプログラムされているようだが、そちらは財布と相談。一昨年、去年と比べて円高になったというのに、来日公演のチケットはどうしてああも高いのかね。

ヴァイオリンを対向配置にするのは、新響の定期演奏会では初めての試みとのこと。その効果はかなりのもので、マーラー第6番の各所が新鮮な響きにきこえた。不足しがちな音量面も、ヴァイオリンを左右に8プルトずつ、計32名動員して万全。ハープとチェレスタが上手にあったのも珍しかったのではないだろうか。

プログラムノートでは、対向配置について指揮者の考え方がきちんと説明されており、中間楽章をアンダンテ、スケルツォの順でやる理由も理路整然としている。さらには、最新の校訂作業の成果を反映させて今回の演奏に臨んだというから、新鮮にきこえたのは配置のせいだけではなかったかもしれない。

だからというわけでもないが、高関健の指揮には、芸術家というより学者のにおいが感じられた。髪振り乱して作品世界に没入する人、明晰な姿勢に徹して燃え方の一部始終を計算する人、それぞれ。良し悪しでなく、そういうアプローチもある。2月のハイティンク;シカゴ響によるマーラー第6番の演奏をきいて、「完璧すぎて感情移入の余地がない」という妙な後味がしたものだが、今日のような(いわば)学会発表のような演奏も好ましい。アマチュアのオーケストラでも加減なく、チャレンジをする姿勢は立派。それに応えるオーケストラもすばらしい。

2009/04/26(Sun)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


松田美緒@アサヒビール

photo_20090421.jpg photo_20090422.jpg


2009年4月21日(火)18:45
第109回アサヒビールロビーコンサート
Correntezas~水流~
松田美緒(vo)
永見行崇(p、per)
ヤヒロトモヒロ(per)
小畑和彦(g)
Abdou Bayefall(dance、vo、per)
Mamadou Lo(vo、per)
寿海(舞)
アサヒビール本部ビル1階ロビー


浅草駅から地上に出ると、雨が強くなっていた。吾妻橋を渡りはじめたあたりでiPodから、去年ブラジル大使館で録音されたライヴの「雨降りお月」が流れてきた。前方を見上げると、雨の夜空に月がぽっかり浮かんでいた。ライトアップされたスタルクのオブジェが、そんなふうに見えた。

松田美緒、たしか今年でちょうど30歳になるのだったか。旅を重ねて、また大きくなっていた。ステージに登場した時、久しぶりにみるのでちょっとドキドキした。

オフィスビルのロビーを会場にしたコンサートシリーズ。隅田川のほとりにあるアサヒビールが、創業200周年を迎える2089年までに川でもう一度白魚が棲めるように、人が泳げるように、水が命の企業として取り組む環境・文化貢献活動「すみだ川アートプロジェクト」の一環だとか。気の遠くなるような話だが、意気やよし。

プログラムノート(小沼純一)には、松田側から「川を、水をテーマにした音楽のストーリーが生まれて」きたとある。昨年4月の近江楽堂のコンサートで披露された「世界は海の道でつながっている」というスコープがぴたりとはまったのだろう。今回配布された資料には、ポルトガル~セネガル~カーボ・ヴェルデ~ブラジル~ペルー~日本をつなぐ海の道(水流)の図まで含まれている。

1部前半は、「みんな夢の中」以外、新しい趣向の和モノ。小唄のような自作曲をほとんどファルセットでうたった3には驚いた。これら一連の歌、舞の寿海(84歳)が共演するせいもあったのだろうけど、もしかしたら、ところは浅草、客席に多い高齢者の心をつかもうという狙いもあったかもしれない。

でもやはり、江戸民謡、小唄といったものは、それなりの場や道具立てがあって成立するものではないか。「日和下駄」での寿海の舞とBayefallのダンス、恋の鞘当てのような趣旨なのだろうけど、かみ合っていたかどうかは微妙なところ。今後どのような展開があるのか期待したいが、ファドの7と8を終えて一番自然な拍手が会場からわき上がったところをみると、松田の本領がどこにあるのかオーディエンスも敏感に感じ取っていたのだと思う。前後するが自作曲の6。録音はまだされていない、7拍子の肉感的な曲。ライヴできくのは3度め。以前は習作という感じだったのが、今日はすっかり形になっていた。

1部最後の9、寿海が銀色の扇を杯に見立て、毒(?)を飲んで息絶える。すると、ひとりのヴァイオリン奏者がきき慣れたメロディーを弾きながらステージに上がってきて、出演者全員を連れて行ってしまった。この時にやっていたのが、「美しき天然」という曲。チンドン屋のやる、もっともポピュラーな曲だけれど、曲名を今日初めて知った(ステージで紹介されたのではなく、midomiというiPhoneのappでメロディを口ずさんで調べたのだ。便利だ)。

休憩後、司令塔ヤヒロトモヒロを中心としたパーカッションがすばらしい。13、15でのヤヒロの嬉しそうな顔。今年もウーゴ・ファトルーソ、グラストン・ガリッツァとのライヴが予定されているようなので楽しみ。さてBayefallと寿海(扇2つ)の絡みも、前半と比べて有機的になってきた。寿海の所作、それなりに振付けはあるのだろうが、作為的な感じが微塵もない。松田の音楽と絡む必然性がまだはっきりと立ち現れてきていない感じもあるが、今後また機会があればみてみたい。17では、今日、存在感の薄かった(おそらくPAのせい)小畑和彦が、オフマイクで「ラヤー」とコーラスをつけている。これ、先日のアケタの店でジョビンのイタコをやっていたのとダブる。

18、もう一度、さっきのヴァイオリン奏者がステージに上がって、アンコールを終えたところで松田が、「スペシャルゲストのクメカワヨシミ。父です」と紹介した。粂川吉見。栃木県壬生町生まれ。早大を出て劇団所属の合奏団に所属し、12年間、全国を回った。1987年、就職と同時に栃木交響楽団へ。へえー、そうなのか。

来週月曜日は、プラッサオンゼで。


第1部
1. 鮎かつぎ唄(江戸民謡)
2. みんな夢の中(浜口庫之助)
3. 水に流し(松田美緒、編曲ヤヒロトモヒロ)
4. 出船(勝田香月、杉山長谷夫)
5. 日和下駄(米山正夫)
6. Moreno de Perola「真珠のモレノ」(松田美緒)
7. Lisboa Cidade「リスボン、私の町」(Lima Brumon、Helena Luiza Moreira Viana)
8. Disse-te Adeus a Morri「さよならを言って死んだ」(Vasco Lima Couto、Jose Antonio Sabrosa)
9. Noche de Amargura「苦い夜」(Arturo Zambo Cavero)

第2部
10. Ndo「水」(即興 松田美緒+Mamadou Lo)
11. Ijexa(Edil Pacheco)
12. Oracao「海の女神への祈り」(松田美緒)
13. Sabar Correntezas「水流のサバール」(セネガルの伝統音楽)
14. E Doce Morrer No Mar「海の甘き死」(Dorival Caymmi)
15. Misticismo de Africa ao Brasil「アフリカからブラジルへ渡った魔術」(Joao Galvao、Vilmar Costa, Mauro Duarte)
16. Canto das Tres Racas「三つの人種の歌」(Paulo Cesar Pinheiro、Mauro Duarte)
17. ゴンドラの唄(吉井勇、中山晋平)
18. Tranzinho do Caipira「田舎の列車」(Joao Souza Lima、Heitor Villa-Lobos)
~アンコール~
19. サイコー (Gregorio Goncalves、日本語詞 松田美緒)

2009/04/21(Tue)
ライヴ - ブラジル&周辺 | trackback(0) | comment(0) |


渋谷毅ソロ@アケタの店

photo_20090411.jpg

2009年4月11日(土)24:00
渋谷毅ソロ
アケタの店


8のテーマのところどころで、ハッとさせられる箇所があった。この曲は、誰の演奏できいてもソロのパートが面白くないことが多い。テーマの束縛が強すぎるのか、そこから逃れようとして装飾音を盛り込むものだから、おしゃべりな感じがしてしまう。

今日はソロではなくてテーマに仕掛けがあって虚を衝かれた。部屋から夜の景色を眺めていたら、目の前の窓ガラスに突然ピキッとヒビが入った、とでもいうような。何か仕掛けてやろうというふうではない。この曲が次の機会にどんなふうに演奏されるのか、深夜のソロに通う楽しみが増えた。

あとは11のメドレー。どこか童謡をきくような感じがしたことを書き留めておこうと思う。こないだ「しぶやさんといっしょ」をきいたエコーがあったのかな。


1. Memories of You
2. Misterioso
3. Body and Soul
4. Tarirari Blues
5. Soldier in the Rain(?)
6. Love You Madly
7. Polka Dots and Moonbeams
~休憩~
8. 'Round About Midnight
9. Ba-lue Bolivar Ba-lues-are
10. Monk's Mood
11. Medley (Jeanie with the Light Brown Hair ~ Day Dream ~ Snowfall)
12. Black Beauty(?)
13. Lotus Blossom
14. Danny Boy
15. Looking Glass

【追記】
今回で3度めの深夜ソロ。同行した友人たちが「突き放すような印象」「言われてみれば少し突慳貪な演奏だった気もする」と書いていたので、蛇足ながら追加メモ。

優れた仏師は木の中に埋まっている仏を掘り出すといわれるように、飾り、誇張、歪曲なしに楽曲をあるべき形(イデアという言葉を思い浮かべたりする)で現象させる。これまできいた2度の深夜ソロの印象を、そんなふうに表していいかもしれない。

この日はやや違う瞬間があった。Body and Soulで表現を追い込みすぎ、饒舌に傾きそうな感じがあったこと(演奏時間も長めだったように思う)。それに、Love You Madlyのソロでパーカーの曲(Billie's Bounceだったか)を引用していたこと。特に引用については、クリシェをやらない人という第一印象を覆すもので、正直なところ驚いた。

月の半分かそれ以上、たくさんの共演者と、違った傾向の音楽を演奏するわけだから、月1回のソロは自分を取り戻すための“調律”のようなものか、と思ったりする。もののたとえが即物的だが、工場出荷時の状態に戻す。感覚を初期化する、メンテナンスする。そういう場に観客としていられることは幸運なことだと思う。

2009/04/12(Sun)
ライヴ - ジャズ | trackback(0) | comment(0) |


下野;読響@サントリーホール

1131898841_24.jpg

2009年4月7日(火)19:00
読売日本交響楽団
第481回定期演奏会
指揮 下野竜也
男性合唱 東京混声合唱団(合唱指揮 山田茂)
コンサートマスター デイヴィッド・ノーラン
サントリーホール(2階LA3列15番)

芥川也寸志:エローラ交響曲(17'37")
藤倉大:アトム(読売日響委嘱作品、世界初演)(14'00")
黛敏郎:涅槃交響曲(9'27"/9'35"/4'07"/2'25"/4'48"/4'13")


昨年読んだ片山本(音盤考現学、音盤博物誌)に感銘を受け、今年は日本人作曲家の作品の実演にできるだけ触れようという目標を立てた。以来、注意してライヴ情報をチェックしているのだが、機会はあまり多くない。1月に都響で2回(別宮貞雄と矢代秋雄一柳慧)、新交響楽団で1回(芥川也寸志)、しばらく間が空き今日で4回め。次は(クジに当たれば)11月のゲルギエフ;N響で、ようやく三たび芥川。

没後20年の芥川也寸志、エローラ交響曲。心の準備はそれなりにしていたつもりだが、想像以上の凄まじい音響。14型の弦5部、金管、木管、そして打楽器の焔が最強音まで一気に駆け上がり、音塊が反響板に衝突して砕ける。ひとつ波が去っても、また別の波がぬらぬらもりもりとわき上がってくる。ゆっくりダイナミックで極太書きのこの前半は、女性を象徴しているという。

フルートとオーボエが速いテンポで細かい旋律を反復して動かしはじめ、トランペット、クラリネット、ファゴットに受け継がれる。このオスティナートが男性を象徴し、曲全体が男女の和合や生殖のダイナミズムを描写しているというから、そのつもりできけば、直情的な爆発に続く息づかいは行為の果てそのもの、クラリネットがひょっこり明るく出てくるところは一度で懲りない男の性(さが)そのものと感じられる。

後半にショスタコーヴィチ第4番第1楽章のフガート部を思わせる、管弦がくんずほずれつやる原色のアンサンブルパートがある。そこでもまた金管群の反響が天井から頭に降ってくる。こんなの初めて。この曲、スコアが一般には販売されていないというのだが、どうしてだろう。

生誕80年の黛敏郎、涅槃交響曲。スコアの指定にしたがって、別働隊としてグループ3が2階LC~LDブロックの間、グループ1が対向RC~RDブロックの間に陣取る。メインのグループ2がステージ上。その後背にソロ8人を含む120人の男声コーラス(チューブラベル×1をパイプオルガン直下に置いたのは指揮者の采配か)。

梵鐘を打つ音を解析して管弦楽で再現し、コーラスが仏教の声明を模倣するという、たいへん頭でっかちな曲。しかしその基本構想と3極の音の配分があって、また実演でやって成立する作品かと思う。第2楽章(首楞厳神咒)でコーラスと楽器群がぐるぐる共鳴し、会場中に異様な音響が満ちる。こんなのも初めて。

座席がオーケストラの左上だったため、音場的にはいかんともしがたいものの、別働隊を目でうかがえたし、梵鐘の響きを遠くにきけたのもよかった。マーラーの第8番でも別働隊が客席で活躍する。そちらが高さを感じさせるのに対して、こちらは面的な広がりを感じさせる。

1977年生まれの藤倉大。読響が委嘱した作品の世界初演。抽象的で断片的な擦過音、息もれ、コルレーニョなど、楽音でないSEのような音も含めたコラージュ。アトムというだけに原子の振動、凝集、離散、反発、摩擦とか、電子顕微鏡でみる微細な物理学的世界を想像しながらきいた。音楽的には、何か起こりそうで、起こらない。1月に都響のケージ:四季をきいたときと同様の感触。主題や結論めいたものをむやみに呈示しないというのが作曲者の流儀なのかもしれない。でもまあ、わからない。

後半、打楽器をメインにしたやや長めのパートがあって、オーケストラ全体がひとつの流れに収斂して作品が閉じられたように思うけれど、桁違いのダイナミズムをもつ音の大伽藍に挟まれてしまっては、ちょっと分が悪い。ウェブサイトのプロフィールを読むと、ブーレーズがその作品を初演したり、デイヴィッド・シルヴィアンとのコラボレーションが予定されているとのこと。また何かの機会に実演に触れたいもの。

読響というオーケストラ。演奏会に通いはじめて日の浅い私はようやく2度めだが、先日のスクロヴァチェフスキ指揮での演奏に続き、たいへん能力が高いので驚いた。下野の指揮からはとても真摯な姿勢が伝わってきた。まったく異なる性格でありながら、難曲という点で共通する3つの作品を、安定感をもってリードしていた。ただ、指揮者も肉体を使う職業であるからには、身体を絞り込んで表現のニュアンスの刻みを5段ギアから10段ギアくらいにするといいかも、とお節介ながら考えた。

客席は6~7割の入り。ハードなプログラムだから週末にしてほしいとはいわない。でも、日本人が日本人の優れた作品を生誕何年、没後何年という記念年だけにしかきけないとしたら、たいへん残念なことだ。他国の、たとえばトルコ民謡を自作に翻案したファジル・サイなんかでは盛り上がるのに。

2009/04/07(Tue)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


しぶやさんといっしょ@なってるハウス

photo_20090404.jpg

2009年4月4日(土)20:00
しぶやさんといっしょ
渋谷毅(うた、ピアノ)
かわいしのぶ(うた、ベース、いろいろ)
藤ノ木みか(うた、パーカッション)
外山明(うた、ドラム)
ゲスト(登場順):平田王子(うた、ギター)さがゆき(うた)小川美潮(うた)上村勝正(ベース)大川俊司(ベース)
なってるハウス(合羽橋)


はじまり。「ポンポンポンポ、ポン」と下降するピアノのイントロがジャズのスタンダード(Autumn in New YorkかGhost of a Chance)のメロディと似ていて、あれあれ今日の企画は違うはず……と思いかけたところへ渋谷さんの歌。あしたのあしたのまたあした(おかあさんといっしょ)。

そこですぅーっと別の次元に引き込まれたような感じで、今思い出しても全編、目が醒めたまま夢を見ていたような気がする。以下、夢見心地の覚え書き。

9「春のさよなら」。「いちねんせいだよ、みんなみんなげんきで!」。友人の子どもが月曜日から一年生。早いものだなあ。めでたいなあ。そういう感慨を持ちながらきいた。

平田さん入って、11「ほしのうた」の歌詞(ほしはね/ほしはね/これからうまれるこどもたち/だからあんなにうつくしい/ほしはね/ほしはね/きらきらりん)。12の渋谷さんの右手がこの日は「カキラランッ」ときこえた。初めてカタカナになってきこえたのは、きらきらりんという歌詞をきいたせいか。

さがさん入って、15「Let Me Call You Sweetheart」。子どもの歌のあいだに置かれると、何かまた別の趣がある。パパとママの若い頃。16と17、さがさんの日本語の歌をきくのは初めてか。買って帰った中村八大集にも17が入っていたけれど、生できいたのは格別だったなあ。CDは帰宅してからぐるぐる回している。

小川美潮さん入って、「小川さんが歌う中で一番好きな曲」と前置きした24「はじめて」では、終わっても渋谷さんは「はいー」と上機嫌。次の25でも「イエイ、イエイ」。そろそろ酔っぱらっていたのかもしれないけど。「楽しい時間はすぐ終わっちゃうんですよね」という言葉にしみじみ。

歌のお姉さんのような藤ノ木さん。少女漫画に出てきそうな美形のかわいさん。よく笑う外山さん。ふだん足を運ばない遠くの町だったせいもあり、やっぱり夢をみていたような気がする。小さなドールハウスで、おもちゃの人形たちの演奏会。帰りに地下鉄ひと駅だけかわいさんとご一緒した。あのたくさんの楽器が小さなバッグに収まっていたのも、どこか不思議な手品めいている。

ふた月で6回、渋谷さん関連のライヴをみせてもらった。手引きをしてくれた友人に感謝を。ありがとう。

セットリストは、同行したもうひとりの友人の労作を拝借した。ありがとう。

01 あしたのあしたのまたあした(S)
02 こんなこいるかな(K、F)
03 くじらのとけい(K、S、St)
04 雨だれピチカート(F、S)
05 夏だよ海だよ音頭だよ(K、F)
06 カニのおじさん(F、K)
07 リンゴ村だより(F、S)
08 雪はこどもに降ってくる(F、K、S)
09 春のさよなら(K、F)
10 月のうさぎルーニー(平田王子)
11 ほしのうた(平田王子)
12 初恋の丘(平田王子)
※華乃家ケイと渋谷毅の「たそがれの夢」でも採り上げられている一曲。北山修作詞
13 音楽の理由(平田王子、S)
※平田王子「マイ・ジョアン」所収
(休憩)
14 夢のなか(K、St)
15 Let Me Call You Sweetheart(さがゆき)
※さがゆき、渋谷毅、潮先郁男「We'll Meet Again」所収
16 青いシャツ(さがゆき)
※渋谷毅が伊東きよ子に提供した曲。山上路夫作詞。原曲は「ソフトロック・ドライヴィン*美しい誤解」というコンピレーション盤で聴ける
17 雨の遊園地(さがゆき)
※中村八大の作品。谷内六郎作詞
18 あっちこっちたまご(F、K、St)
19 おおきいてちいさいて(小川美潮)
20 ちょっとまってふゆ!(小川美潮)
※以下、22まで上村勝正がベース
21 ふゆっていいな(小川美潮、St)
22 あやとり(小川美潮)
※渋谷毅が森山良子に提供した曲。松本隆作詞。金子マリ+渋谷毅「MARI SINGS ALONG WITH SHIBUYA-SAN」でも採り上げられている一曲
23 キリンのかあさん(小川美潮)
※「母と子のテレビ絵本」にて小川美潮歌唱
24 はじめて(小川美潮、S)
※小川美潮「檸檬の月」所収
※以下、25まで大川俊司がベース
25 Dear Mr. Optimist(小川美潮)
※小川美潮「檸檬の月」所収
26 さるが木からおっこちた(F、K、S)
27 ぼくのミックスジュース(F、K、St)
28 ふたりでひとつ(K、S)

2009/04/04(Sat)
ライヴ - その他の音楽 | trackback(0) | comment(0) |


東京スカパラダイスオーケストラ@リキッドルーム

photo_20090403.jpg

2009年4月1日(水)19:30
東京スカパラダイスオーケストラ
リキッドルーム(恵比寿)


明治通り沿いの桜が満開の夜。ピンクのスーツで始めた男たちの音楽をきくのに打ってつけの時節だった。デビューから20年。桜なら樹齢20年を重ねればたいそう立派な見栄えがする。ジャマイカのスカに根差し、東京で幹を太らせ枝を伸ばした大木をみた。

昨年8月の野蛮人の夜会でも感じたこと。ギターの加藤の活躍ぶりを特に太書きでメモしておきたい。フロント4管の前に後ろに、曲によって1-4-4、4-5、5-4と布陣を変えながら、冷牟田の脱退を補ってあまりあるパフォーマンス。いや、補うというよりむしろ、角の矯めが外れて加藤の立ち位置が明確になった結果、アンサンブルの純度密度が増したように思う。

個人的なハイライトは別のところに。まず、中盤にやったオリジナル・スカのメドレー。選曲は「東京用の最新ヴァージョン」(茂木)とのことで、The Guns of Navaroneをやりはじめた時には思わず吹き出してしまった。新宿JAMでやったデビュー前のライヴ、六本木インクスティックでの最初期のパフォーマンスなどが懐かしく思い起こされた。

もうひとつのハイライトは、新譜Paradise Blueからオープニングとクロージングの2曲。前者「Routine Melodies」は谷中作の佳曲で、その名の通り今後のレパートリーのルーティンとなるのではないだろうか。後者「Sugar Fountain - 楽園の泉にて」では、彼がストレート・アルトサックスを携えてフロントに立った。録音よりやや遅いテンポでメロディを歌い、静かに溢れ出る水のようなソロをやる。そして、曲をやり終えた時に満足げな何ともいえないいい表情をする。

楽器はドイツ製のもので、15年前くらい前から持っていたとのことだが、録音はもちろんステージでこれだけフィーチャーされたことは今までにあったかしらん。終演後、「むかし武道館でやったフルートソロと違って、今日は安心してみていられた」と冷やかすと、本人は苦笑していた。

見立てによっては、ブルーともグリーンとも呼べるこの日の衣装。記憶の中のピンクと互いに色を補い合って、すっかり良い天気の下で花見をしたような気分になった。箱から出てみれば強い雨。しかし酒がことのほか美味くて、つい終電を逃して飲み過ぎた。

2009/04/01(Wed)
ライヴ - その他の音楽 | trackback(0) | comment(0) |


トップへ

プロフィール

Woo

最近の記事
カテゴリー
シンプルアーカイブ
ブログ内検索
Twitter

QRコード

RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。