スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--(--)
スポンサー広告 |


イザベル・ファウスト、ジェイムズ・デプリースト;東京都交響楽団

2009年12月18日(金)19:00
東京都交響楽団
第691回定期演奏会Bシリーズ
指揮:ジェイムズ・デプリースト
ヴァイオリン:イザベル・ファウスト*
ソロ・コンサートマスター:矢部達哉
サントリーホール(2階C5列23番)

シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調*(14'41/5'57/10'29)
(イザベル・ファウスト アンコール)
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004から第3楽章「サラバンド」*(3'08)
(休憩)
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク版)(21'34/22'42/9'19/12'23)


イザベル・ファウストのヴァイオリン。その聴き心地、体内に鳴り響く感じは、どこか日常の体験と二重写しになった。宵の口から飲みはじめ、感覚を麻痺させる飴色の液体が、体の深いところ、下のほうへ下のほうへ重く沈殿していく。最弱音まで降りていく。そうやってなお美しい。

低音のしまり、中音のふくらみ、高音のかがやき。円やかで、ギスギスしない、ソプラノのコロラトゥーラのような軽やかな節回し。技巧を追いかけても人肌の温もりを保つ。私はファウストをブラームスの室内楽を収めた録音でしか聴いていなかったから、この演奏には本当に驚いてしまった。やはり録音では演奏家の真価はわからないものだな。弦5部は12-10-8-6-4。

ブルックナー7番。デプリーストはたいへん折り目正しい演奏という印象。fffの総奏でも余白を残す。「私のつくりたい音楽はわかっていますね?」「はい、もちろん!」。そういう指揮者とオーケストラの信頼感を感じた。それが魂を持っていかれるような感動につながるかといえば、また別の話ではあるが。

あまりnitpickingをしたくはないが、都響の金管セクションの人たちは、ステージに上がる以上、本当に、もうちょっと、がんばってほしい。聴くほうも精進しますから。

ブルックナー苦手克服シリーズの第4ラウンド。今年はこれで最後。弦5部は16-14-12-10-8。


(ファウストのアンコール曲。会場で掲出された「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番第3楽章」は誤り。サントリーホールのサイトでも訂正されています。)

2009-11-19 - エリアフ・インバル;東京都交響楽団、半田美和子

スポンサーサイト

2009/12/21(Mon)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


アラベラ・美歩・シュタインバッハー、シャルル・デュトワ;NHK交響楽団

20091212-01.jpg 20091212.jpg

2009年12月12日(土)15:00
NHK交響楽団 定期公演
指揮:シャルル・デュトワ
ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー*
ソプラノ:メラニー・ディーナー
アルト:ヤナ・シーコロヴァー
テノール:サイモン・オニール
バス:ミハイル・ベトレンコ
オルガン:小林英之
合唱:東京混声合唱団
合唱指揮:松井慶太
コンサートマスター:堀正文
NHKホール(2階R10列8番)

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35*(18'52/6'47/10'33)
(アラベラ・美歩・シュタインバッハー アンコール)
クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース 作品6*(4'44)
(休憩)
ヤナーチェク:グラゴル・ミサ(3'18/3'25/6'25/12'00/6'15/5'12/2'48/1'40)


シュタインバッハーが出てくると、「まあ、きれい……」と、まるでオバさんのような独り言が喉元まで出かかった。鮮やかなブルーグリーンのロングドレス。生地はシルクサテンだったろうか。バスト下あたりにあるベルトが、背の高さ、脚の長さ、ヒップ位置の高さを強調して、それだから第一主題Moderato assaiのところをやさしく弾きはじめると、近づいてきたリフトに軽く腰を乗せ、重力もものかは地面からフイっと浮き上がるのを見るようだった。

旋律をレガート気味に歌うのが特徴的で(この曲はチョン・キョンファの録音をリファレンスにしているから余計に)、ああ、こういうやり方をする人だったなと思う。思えば昨年聴いたベルクの感想でも似たようなことを書いていた。

美しい弱音を放っていたヴァイオリンは、次第しだいに熱を帯びた節回しに高まって、顎~肩~手首~弓と弦が形作る多角形の運動によって実にさまざまな音色と強さの音を生み出した。こういうイメージを抱いたのも、腕の長いシュタインバッハーならでは。楽器演奏の成果とはつまるところ身体運動の成果であって、スポーツに似たところがあるからだと思う。

第2主題の最後を上げ弓で力強く弾ききったところに、この人の弓使いの独特さがあらわれていたし、カデンツァに入って12連符の重音をグリッサンドしながら駆け下りるところ(2回)など、たいへんな説得力をもって私には響いた。

第2楽章の木管との絡みもすばらしい。ここはN響の美点ではなかったかと思う。第3楽章、これは舞曲ですよと言い含めるような第1主題を、一度めはじっくりと、二度めは浮き立つように演った。

アンコールピース、クライスラーの曲であることは不勉強で知らなかったが、チャイコフスキーの協奏曲の40分くらいかけて歌われる歌の、縮小版を聴くかのようだった。曲名を紹介したときの美しい声。残念ながら日本語ではなかったけれど、これも記憶にとどめておきたいので書いておく。

シュタインバッハーはたしかショスタコーヴィチを録音していたのではなかったかと思い出し、帰りにCD売場に立ち寄ったところ、ベルクとベートーヴェンのCDが目に留まった。ああ、そうなのか。この人を知ったのは一昨年N響アワーで放送されたベートーヴェン、実演を聴いたのは昨年のベルクなので、それを買って帰った。

ライナーにあるシュタインバッハーの父への献辞がすばらしい。英訳されたものを試しに日本語に訳出してみます。

---
愛する父へ

物心ついたころから、私の育った家にはいつも音楽があふれていました。そこは、父が歌手の方々とともにさまざまなオペラ作品を練習する稽古場だったのです。父の愛器はベーゼンドルファー。幼かった私はそのピアノの下に潜り込み、好奇心いっぱいで音楽に聴き入っていたものです。

父は長年、バイエルン国立歌劇場で仕事をしていました。カルロス・クライバーやヨゼフ・カイルベルトのいた時代です。オペラは父の人生そのものでした。声楽を学ぶために日本からミュンヘンへ留学してきた母と出会ったのは音楽を通してでしたし、私を「アラベラ」と名付けたのもオペラ作品にちなんでのことです。

両親は私が3歳の時に子供用のヴァイオリンを与えてくれました。私はすぐにこの楽器の虜になりました。楽器を学ぶ私にとって、父の存在はたいへんありがたいものでした。父はどんなスコアでも初見で演奏することができましたので、一緒に練習しながら、私はヴァイオリンのレパートリーをマスターできたのです。実際にレッスンを受けたというわけではありませんが、父からは本当に多くのことを学びました。

今から半年前、父は深刻な病気にかかっていると宣告されました。それでも父は全力で病と闘い、最後の最後まで人生を楽しむ気持ちを忘れませんでした。亡くなる3日前まで、私と一緒にモーツァルトのト長調のヴァイオリン・ソナタを演奏していたのです。まるで、最も効果のある薬は音楽である、と言わんばかりに。

ベルクとベートーヴェンのヴァイオリン・コンチェルトも、2人で何度となく演奏した曲です。これ以上ないくらいに性格の異なる2曲ですが、どちらも私にとって、この世のものと思えない作品です。

この録音を、私の人生で最も大切だった人、父に捧げます。

アラベラ・シュタインバッハー
---

2008年11月の録音。ということはつまり、彼女はお父さんを亡くした後、お母さんの生まれた日本に来てベルクのコンチェルトを演奏し(2008年9月27日)、ドイツに帰ってからベートーヴェンのコンチェルトとあわせて録音したということになる。

演奏家や音楽とこういう出会い方をすると、後々までついて回ることになりそうだ。翌日の日曜日、このCDを繰り返し聴いた。

(ヤナーチェク:グラゴル・ミサの印象は、このソリストの演奏で少々弱まってしまった。でも、私はこの曲が好きだ。)

2008-09-27 - シュタインバッハー、スダーン;東響

2009/12/13(Sun)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


ワレリー・ゲルギエフ;マリインスキー歌劇場管弦楽団、デニス・マツーエフ

20091201.jpg

2009年12月1日(火)19:00
マリインスキー歌劇場管弦楽団
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ピアノ:デニス・マツーエフ*
トランペット:ティムール・マルティノフ*
サントリーホール(2階RD6列6番)

ショスタコーヴィチ:歌劇「鼻」より第2幕の間奏曲(2'51)
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番 ヘ短調 作品10(8'31/4'17/8'39/9'12)
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35*(5'29/7'40/7'19)
(デニス・マツーエフ アンコール)
シチェドリン:ユモレスク(2'06)
(休憩)
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調 作品93(23'28/4'13/12'16/13'09)


時間が遅くなってしまった。今日はプログラムの誤りを書き留めるだけにしよう。

評論家東条碩夫氏によるプログラム・ノート、「鼻」第2幕の間奏曲のふたつめに言及しているようだが、本日演奏されたのはひとつめの間奏曲(パーカッションのみによる)。誤りというより、指揮者による印刷後の変更、かな? それにしても、あんなけったいな演奏をするとは……!
(また、あとで続く)

2009/12/02(Wed)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


ワレリー・ゲルギエフ;NHK交響楽団、アレクサンドル・トラーゼ

20091130.jpg

2009年11月30日(月)19:00
NHK音楽祭2009
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
ピアノ:アレクサンドル・トラーゼ*
NHK交響楽団
NHKホール(1階R9列6番)

芥川:弦楽のための三楽章(トリプティーク)(3'59/6'02/3'03)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26*(9'41/10'30/10'06)
(休憩)
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 作品74(18'48/7'06/8'34/10'40)


切符を手配したのがたしか2月。ずいぶん先と思っていたら、過ぎてみれば早いこと。HNK音楽祭2009の4回の公演、バレンボイム(引き分け)、ヤルヴィ(負け)、シャイー(勝ち)の1勝1敗1分で臨んだ最終日、ゲルギエフ;N響の演奏は圧倒的な勝利で勝ち越しでした。

チャイコフスキー、第1楽章、山崩れか地響きかというくらい。第2楽章、弦のピチカートなんて潰れてしまうくらいの総奏。第3楽章、第1ヴァイオリンとピッコロの合奏のエッジの立て方、けっこう細かな目配せもしながら。ティンパニ、大太鼓、シンバルの炸裂。特に太鼓は大砲の音を聴くようだ。フィナーレ。ゲルギエフのかき回し方がすごい、すごい。

たいへんな名演。チャイコフスキーの曲の、正しい演奏だったのだろうと思う。しかし私は、チャイコフスキーのシンフォニーはもういいや、好んで聴きにいくことはないだろうなあ。

11月、1カ月13本の修行のようなライヴ通いがこれにて一段落。ちょっと大変でした。

2009/12/01(Tue)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |


トップへ

プロフィール

Woo

最近の記事
カテゴリー
シンプルアーカイブ
ブログ内検索
Twitter

QRコード

RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。