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井上道義;東京フィルハーモニー交響楽団  ショスタコーヴィチ:交響曲第4番

ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ハ短調 Op. 43
指揮 井上道義
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団
ゲスト ロックンローラー 内田裕也
日比谷公会堂

チクルス6日目。2週間ぶりの日比谷公会堂。公園の樹々が黄色く色づき、すっかり日が短くなった。冬の深まりを実感する。

前回に続き、階下5列目の定席を捨てて2階に上がって行くと、最後列中央の“特等席”は大きなテレビカメラに占領されていた。NHKで来年2月10日に放映予定とのこと。うちはBSが入らないので地上波だといいのだが。仕方なく中央からやや右寄りの席を確保してステージを見下ろすと、楽員たちが開演時間ぎりぎりまで曲をさらっている。ピッコロがやけに熱心に、コントラバスは10人揃って、観客の面前で。リハーサルが足りていないのだろうか?(あとで思い当たったのだが、楽屋が狭くてステージ以外にそうする場所がないのかな。)

演奏が始まってみれば心配は吹き飛んだ。衝撃的な導入部に鳥肌が立つ。ここを聴くたびにラロ・シフリン作曲「スパイ大作戦のテーマ」(1966年)を思い出すのだが、交響曲のアメリカ初演が1963年であったというから、何らかのエコーがあったのかもしれない。

見事な大休止。一瞬、無重力になったかのよう。オーケストラは完全に指揮者の意図通りに機能していたようで、練習不足を邪推したりして申し訳なく思う。プレストに入りフガートの弦楽器群のものすごさ。コンサートマスターが上半身を前後に振りながら演奏するさまに気合いを感じる。乗り遅れるな!踏み外すな!と。この部分、残響の多いホールだったらどのように聞こえただろう。フガート後の強奏は天井が落ちるようなインパクトだった。イングリッシュ・ホルン、ヴァイオリン、ファゴットの素晴らしいソロ(ファゴットは大活躍で、楽員たちから一番大きな賞賛の足踏みを得ていた)。

第2楽章、エンディングの打楽器アンサンブルは乾いていてよかった。もっと乾いていてもよかった。第3楽章、マーラーの葬送行進曲のムードに浸り、軽やかな展開部を経て、不協和音が爆発する強奏を待つ。凄まじい。この部分を「地球が軌道から外れたような衝撃」とたとえる評論家がいるが、実演で聴いて激しく同意。

軌道を外れ、寄る辺ない空間に浮遊して去るようなコーダ。チェレスタの音、トランペットの呻き。そこへまるで災厄のような、心ない観客の早すぎる拍手。ただこの地点に向けて60分にわたる旅をしてきた演奏者と観客のかけがえのない興趣を、それは一瞬にして暴力的に打ち砕いてしまった。井上さんは、この全曲演奏会を録音して発売することも仄めかしていた。今日はNHKのカメラも入っていた。CDや番組として成立させるために、あの拍手を除去することは可能なのだろうか。可能であれば、暴挙を「なかったこと」にして、もう一度最後を聴いてみたい。

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「ショスタコーヴィチ29歳の時の作品。この4番は、5番とはまったく違う音楽だと思う。かたちがよく見えないのに聴き手を引っぱっていく力が音楽にあり、そういう意味でちょっとジャズっぽい感じ」(井上さんのコメント)

2007/12/01(Sat)
ライヴ - クラシック | trackback(0) | comment(0) |










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